「パチンコをやめる方法」で書いたステップを実践する事で、習慣化してしまっていたパチンコを、一旦生活から切り離す事ができたと思います。
しかし、パチンコ依存症との戦いはもっと長い期間を視野に入れて考える必要があります。次は、持続的・継続的に、パチンコから距離を置くための第二段階に進んで行きましょう。
医学的には、
「依存症は一生完治しない」とも言われています。
例えば、「アルコール依存症の人が何年も禁酒していたのに、ふとしたきっかけで元の状態に戻ってしまった」というような話はよく聞きます。また、逮捕される度に涙を流して反省するのに、何度も薬物使用を繰り返してしまう芸能人の話もよく聞きます。
これは、病的パチンカー(パチンコ依存症)にもあてはまる傾向です。
以下は、私の体験です。
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私は、何十万もの借金が家族にばれた事がきっかけで、涙を流して謝罪し、「金輪際パチンコはしない」と誓いました。実際、1年以上パチンコを打たず、少しずつ借金も減り、「パチンコ依存症を克服した」と完全に慢心していました。
「なぜパチンコなんてバカみたいな事にハマっていたんだろう」とさえ思うようになっていました。ところがある日、出張で見知らぬ街に行った仕事帰りの時の事です。
駅の前に小さなパチンコ屋があって、新台入替のポスターが貼ってありました。
そして、そのポスターには羽根物のパチンコ台が新台として導入されるという事が写真入で大きく書かれていました。
羽根物は、私がパチンコを始めた20年ほど前に全盛だったタイプの台です。
私は久しぶりに自分の体の中で何かが反応するのを感じました。 「羽根物だったら大きく負ける事はないだろう」 「いやいや、俺はパチンコをしないと誓ったではないか」 「新台だから、きっとよく鳴くだろうな」 「パチンコに行った事が妻にバレたら大変だぞ」 「俺は大人だ。ちょっとくらいパチンコをしたって文句を言われる筋合いはないんじゃないか」そんな考えが頭の中を飛び回ります。
1分ほどの躊躇のあと、「とりあえず台を見るだけ」と自分の中で勝手に折り合いをつけ、1年ぶり以上にパチンコ屋に足を踏み入れてしまいました。
ご想像の通り、「見るだけ」で我慢できるほど病的パチンカーの脳は強くありません。その日をきっかけに、再び嘘を繰り返してパチンコ屋に通うようになり、1年が経つ頃にはまた借金が数十万単位で増えてしまっていました。
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繰り返しになりますが、「パチンコ依存症」という病気になると、脳が以下のように改造され、一生元の状態に戻す事はできません。 ・パチンコを打ち始めたら、自分で制御する事はできない
・脳の中に「パチンコへの衝動」を引き起こすプログラムが組み込まれ、取り除く事はできないつまり、
「パチンコ依存症との戦いは一生続く」という事になるのですが、当時の私はその事に全く気付いていなかったせいで、いとも簡単にパチンコ地獄に送還されてしまった訳です。
また、「パチンコ依存症」という病気自体がそのような特性を持っている事に加え、私が体験した上の例のように、パチンコ業界は一度パチンコから離脱した人々を再びパチンコ地獄に連れ戻すための刺激的な罠を、永遠に仕掛け続けてきます。
そのため、
「パチンコをやめる方法」でご紹介した緊急的な回避だけでなく、長期戦に向けて高い意識を保ち続ける事が必要になります。
では、高い意識を保ち続けるためにはどうすればよいのでしょうか。
「パチンコ依存症とのつきあいは一生続く」事を理解した上で、以下の事を継続的に実践する事です。
特に「迷惑をかけた回顧録を書く」事は初期はとても効果的です。
書く事がなくなってきたら、週1回にこだわる必要はありませんので、思い出したら書くようにしてください。
(きっと、みなさんは週1回でも数ヶ月はかかるくらい、迷惑をかけてきているとは思いますが^^;)
・迷惑をかけた回顧録を書く(週1回)
・借金額を把握する(月1回)
・パチンコ依存に関する正しい情報を得続ける(毎日)
・同じ病で苦しむ人に、自分の成功体験を伝える(随時)
まずは、「迷惑をかけた回顧録を書く」について、
次ページでご紹介します。